【早見表つき】ズッキーニは仕立て方でラクさが変わる:地這い/立性/吊り下げの選び方

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ズッキーニは、植えてから収穫が始まると一気に大きくなり、次々と実がつく楽しい野菜です。ところが、葉が大きくて茂りやすいぶん、育て方によっては「葉の陰で実を見落として巨大化」「地面に触れて実が汚れる・腐る」「中が蒸れて病気が出る」といった失敗も起きがちです。

この記事では、ズッキーニの仕立て方を 地這い栽培/立性栽培/吊り下げ栽培 の3つに分けて、必要な資材・手間・病気の出やすさ・収穫のしやすさを比較します。
最後に「あなたの条件ならこれがおすすめ」という選び方もまとめるので、まずは早見表から確認してみてください。

ズッキーニの仕立て方は3つ。選ぶ基準は「スペース」「手間」「病気」「収穫のラクさ」

ズッキーニは葉が大きく、収穫期も長いので、仕立て方で次が大きく変わります。

  • 風通し(病気・蒸れ)
  • 実が地面に触れるか(汚れ・実腐れ)
  • 収穫のしやすさ(見落とし・腰への負担)
  • 必要スペース(横に広げるか、通路を確保するか)
  • 必要な資材と手間(支柱・誘引・固定)

この記事は「3方式の比較」と「どれを選ぶと失敗しにくいか」に集中してまとめます。

まずは早見表:3方式の違いが一目でわかる

方式難易度コスト手間実の汚れ/実腐れ病気(蒸れ)収穫のラクさ向いている人
地這い★☆☆△(敷物で改善)△(混むと上がる)まず簡単に/スペースに余裕
立性★★☆狭い/通路確保/収穫をラクに
吊り下げ★★★中〜高中〜高○〜◎ハウス/作業性最優先(中級〜)

※「病気リスクは湿度・風・株間で上下します。雨が多い/風が弱いほど風通し重視が有利。」

あなたに向いている仕立て方は?

仕立て方向いている人・環境主なメリット主なデメリット
地這い栽培(支柱なし)とにかく簡単に始めたい/スペースに余裕資材ほぼ不要、失敗が少ない実が汚れやすい・腐れやすい、通路を塞ぎやすい
立性栽培(支柱・ネットで立てる)省スペースにしたい/収穫をラクにしたい収穫しやすい、風通し◎、実がきれい支柱・誘引が必要、強風対策が要る
吊り下げ栽培(ひもで上から誘引)小型ハウス/管理を作業化したい(中級〜)作業性が高い、通路を確保しやすい仕立てのコツが必要、果実の支えが必要な場合

迷ったら:**露地の家庭菜園は「地這い or 立性」**が取り入れやすいです。ハウスがあるなら「吊り下げ」も選択肢になります。

どれを選ぶ?失敗しにくい選択フロー(超初心者向け)

① ハウス(または丈夫なフレーム)がある?

  • YES → 吊り下げも選択肢(作業性重視なら有力)
  • NO → 地這い or 立性が現実的

② 畝や庭のスペースは横に広い?(通路が確保できる?)

  • 広い → 地這いが一番ラク
  • 狭い/通路を確保したい → 立性が有利

③ 風が強い場所?(支柱が揺れやすい)

  • 強い → 地這いが安定しやすい
  • 弱い/囲われている → 立性・吊り下げ向き

④ あなたが優先したいのは?

  • とにかく簡単 → 地這い
  • 実をきれいに、収穫をラクに → 立性
  • 通路確保・作業性最強(中級者向け) → 吊り下げ

3方式それぞれの特徴

地這い栽培(支柱なし・地面に広げる)

株をそのまま育て、葉が広がるまま地面を覆わせるスタイルです。家庭菜園で最も一般的。

必要資材

  • マルチ(黒マルチ・防草シート等)※おすすめ
  • 敷きワラ/もみ殻/バークチップ(実の下に敷く用途)
  • (あると便利)U字ピン、敷き板、小さなトレー:実を地面から離す

手順(超初心者向け)

  1. 株元を中心に広がる前提で植える(通路を塞がない位置に)
  2. 地面を乾きやすくする:マルチ+株元の泥はね対策
  3. 実がつき始めたら、実の下に敷きワラや板を置く(実腐れ・汚れ予防)
  4. 葉が混み合ってきたら、古い下葉を少しずつ取って風通し確保(一気にやりすぎない)

失敗しやすいポイントと対策

  • 実が地面に触れて腐る/汚れる
    → 実の下に敷物、株元の過湿を避ける(畝を高めに、排水を良く)
  • 葉が茂りすぎて中が蒸れる(病気が増える)
    → 収穫し終えた古い葉・黄色い葉から“少しずつ”整理
  • 実が大きくなりすぎる(見落とし)
    → 収穫期は「毎日〜2日に1回」見回りが基本(ズッキーニは太りが速いです)

地這い栽培のコツ

  • うどんこ病などは風通し+葉の更新で差が出ます。
  • 収穫が続く株は、古葉を整理しつつ新葉を活かす意識が重要です(葉を取りすぎると樹勢が落ちます)。

2. 立性栽培(支柱・ネットで立てる)

株を“上にまとめて”管理し、茎(株の中心)を倒れにくくして収穫しやすくする方法です。
※ズッキーニは「つるが長く伸びない品種」も多いので、キュウリのように長く上へ伸ばすというより、葉と株を立て気味に整理して通路を確保するイメージが近いです。

こんな人におすすめ

  • 畝幅が狭い/家庭菜園でスペースを節約したい
  • 収穫をラクにしたい(実が見つけやすい)
  • 泥はね・ナメクジ被害を減らしたい

必要資材(例)

  • 支柱(1.8〜2.4m程度を目安)
  • 誘引用ひも(麻ひも・園芸ひも)
  • ネット(きゅうりネット等)※使いやすい
  • 結束バンド(使いすぎ注意:締め付けない)

手順(基本形)

  1. 株の横に支柱を立て、強風で揺れないように固定(ここが最重要)
  2. 株が大きくなったら、葉柄(葉の付け根)や株元を傷つけない位置でゆるく誘引
  3. 通路側に葉が倒れ込むなら、外側の葉を少し整理して見通しを作る
  4. 実がつき始めたら、実が葉の陰にならないように軽く葉を動かし、収穫しやすい導線を作る

立性栽培の注意点

  • 誘引は“引っぱらない・締め付けない”:茎や葉柄が裂けると一気に弱ります
  • 支柱の強度不足:葉が大きく風を受けるため、倒伏しやすいです
  • 品種差:株が非常にがっしりしている品種は、無理に立てるより「地這い+実の下敷き」の方が安定することもあります

整枝の考え方(やりすぎ注意)

  • 基本は「収穫が終わった下葉から」整理して風を通します。
  • 一度にたくさん葉を取ると、日焼け・樹勢低下につながるので、1回に1〜3枚程度など控えめが安全です(株の大きさで調整)。

3. 吊り下げ栽培(ひもで上から誘引)

ハウスやフレームにひもを張り、株(主に中心部)を上から吊るように誘引して管理します。
「通路をきれいに保つ」「作業を立ったままに近づける」方向に寄せられるため、中級者以上に向きます

向いている環境

  • 小型ハウス・雨よけ・しっかりした支柱フレームがある
  • 毎日の見回り・誘引作業ができる
  • 収穫を作業化したい(家庭でも“やりやすさ重視”の人)

必要資材

  • 頭上に張る丈夫な線(パイプ・ワイヤー等)
  • 誘引ひも(耐候性のある園芸ひも)
  • クリップ(誘引用)、結び直せる結束具
  • (必要に応じて)果実を支えるネット/布(実が重くなる品種や伸びるタイプの場合)

手順(超初心者にもわかる流れ)

  1. 頭上に水平の支え(パイプ等)を作り、そこからひもを垂らす
  2. 株の中心部が太ってきたら、ひもを“支える目的”で添える(縛り付けない)
  3. 葉が混むので、古葉を少しずつ整理して風通し確保
  4. 実がついたら、品種・重さ次第で実の下支えを検討(実が引っ張られて株が傷むのを防ぐ)

失敗しやすいポイント

  • 吊り点が弱くて倒れる/落ちる
    → 支えの強度が最優先(見た目より“耐荷重”)
  • 誘引で茎を傷つける
    → ひもは“固定”より“補助”。締め付け厳禁
  • 日当たりが急に変わり日焼け
    → 葉を急に取りすぎない。露出を段階的に

収量と失敗に直結する共通ポイント

受粉がうまくいかないと実が太らないことがある

ズッキーニは雄花・雌花が別で、天候(雨・低温)や虫の少なさで受粉が不安定になることがあります。
実が途中でしぼむ/先がうまく太らない時は、朝に人工授粉を試すと安定しやすいです。

取り遅れが続くと株が疲れやすい

ズッキーニは太るのが速いので、収穫期は見回り頻度が大切です。
「巨大化させる」より、適期でこまめに収穫する方が次の花・実がつきやすい傾向があります。(品種推奨サイズは種袋・カタログを優先)。

葉を取りすぎない(でも混ませすぎない)

病気予防で葉を取りたくなりますが、急に減らすと樹勢が落ちます。
基本は 黄色い葉・古い下葉から少しずつ が安全です。

病気・害虫は「風通し」と「見回り」が最強

  • うどんこ病、灰色かび、実腐れ系は蒸れ+濡れで増えやすい
  • 仕立て方で完璧には防げませんが、混み合いを減らすだけでかなり差が出ます
  • 害虫(アブラムシ等)は初期が大事:見つけたら早めに対処(防除は各作物登録・ラベル遵守が最優先)

よくある質問(FAQ)

Q1. ズッキーニは摘芯(先端を切る)した方がいい?
A. 一般的なズッキーニは株立ちで、摘芯しないでも収穫できます。まずは「収穫」と「風通し確保(古葉整理)」を優先すると失敗が少ないです。つるが伸びるタイプは仕立て方が変わるので品種を確認してください。

Q2. 立性にしたいのに倒れます…
A. 支柱の強度不足が多いです。ズッキーニは葉が大きく風の抵抗が強いので、「支柱を太くする」「筋交いを入れる」「複数本で囲う」など“倒れない土台”が先です。

Q3. 実が途中で腐ります/先が黒くなります
A. 地面との接触・過湿・受粉不良など複数原因があります。まずは実を地面から離し、株元の蒸れを減らし、必要なら人工授粉を試してください。症状が続く場合は肥料バランスや水分ムラも疑います(環境差が大きいです)。

Q4. 葉っぱはどれくらい取っていい?
A. 取りすぎは樹勢低下につながるので、「黄色い葉」「収穫が終わった下葉」から少しずつが安全です。目安として1回に数枚程度に抑え、様子を見ながら進めると失敗しにくいです。

Q5. プランターでも立性・吊り下げはできますか?
A. 立性は比較的可能ですが、風で倒れやすいので固定が必須です。吊り下げは支え(フレーム)がしっかりある場合に限り可能です。プランターは根域が小さいため、水切れ・肥料切れに注意が必要です。

Q6. 雨が多くて病気が出やすい…どれが有利?
A. 一般に、混み合いを減らしやすい 立性・吊り下げが有利になりやすいです。ただし、どの方式でも株間と風通しが大事なので、葉の整理は「少しずつ」を徹底してください。

ズッキーニの仕立ては、地這い=手軽、立性=省スペース、吊り下げ=作業性重視
あなたの畑の広さと、かけられる手間で選ぶのがいちばん確実です。まずは無理のない方式で1株育ててみて、来年「もっとラクにしたい」と感じたら仕立て方をアップデートしていきましょう。

参考資料

サカタのタネ(園芸通信):「ズッキーニの育て方・栽培方法」(図解・初心者向け)

熊本県(アグリくまもと):「ズッキーニの栽培管理|技術と方法」

青森県:「ズッキーニ栽培マニュアル」PDF